中国の文化観光部は同国にとって「違法な内容の歌詞」が存在するカラオケ楽曲を2021年10月1日から禁止すると発表しました。違法な内容とは「国家統一」「主権、領土の保全」について、中国国家の方針に反する内容であるとのことです。
中国の文化観光部が2021年10月1日からカラオケ店での提供を禁止する楽曲は「民族的憎悪や差別を煽るもの」「国家の安全・名誉・利益を損なうもの」「国の宗教政策に反するもの」「わいせつ・ギャンブル・暴力・その他の犯罪行為を助長するもの」の4点に該当するような歌詞を含むものとしています。
また、今回の制度ではカラオケ楽曲を中国当局で細かくチェックするのは困難であるとして、全責任は「カラオケ用のコンテンツ制作者側」に委ねられており、制作者側は自ら「該当すると思われる楽曲」を文化観光部に申請する必要があるようです。
なお、文化観光部がカラオケ楽曲を禁止したというのは今回が初めてではありません。2015年には同国内で「わいせつ」「暴力」「犯罪」「社会道徳を害する」内容の歌詞が含まれる楽曲が禁止されたことがありました。なお、このときは120曲が該当しており、「北京のチンピラ」「自殺日記」「学校に行きたくない」などの曲がブラックリストに登録されています。
しかし、2015年のものはあくまでも当局によって、作られたブラックリストであり「コンテンツ制作者側」の対応は不要なものでした。今回は「コンテンツ制作者」の対応が必須であるということ。そして、「罰則の存在」も考慮すると、制作者にとって重い規則になるということが考えられます。また、日常的に「反体制に関する楽曲」を歌うのが好きだった人にとっても、重い規則になるのかもしれません。