現代と古代での「犬の扱い」意外と違っていたことが判明

犬は人間との関係性は深く、何千年もの間、人間社会の一員として活躍しています。現代では人間の家族やパートナーとして過ごすことが多い犬ですが、コペンハーゲン大学の研究で「古代の時代の犬は非常に価値のある商品」としても扱われていたことが明らかになったとのことです。

古代の犬は現代の作業犬(使役犬)と同様に「家畜の放牧」「狩猟」「ソリを引く」などの役割を果たしていたと考えられ、人間の働くパートナーとしての位置づけが強かったものと考えられています。しかし、古代に形成された人間のコミュニティがかなり閉鎖的な社会を築いていたため、現代社会と比較するとコミュニティ間の交流自体は少ないのが通常でした。

そんな中、コペンハーゲン大学の研究によると、古代の犬の遺伝子記録では「この時代に犬同士の様々な交配が行われていた事実がある」ことから、当時の社会では古代人のコミュニティ間で犬の取引が盛んに行われていたと考えられるそうです。

研究では古代シベリアの社会に着目して調査を行っており、このような犬の取引は少なくとも2000年前に行われていましたが、もっと前から行われていた可能性もあるとのこと。研究者は「古代の犬に見られる『遺伝子の多様性』はトナカイを輸送手段として使用したり、鉄細工を始めたりなど人類社会の大きな変化と同時に起きている」と指摘しています。

当時は使役していた犬が死亡すると、その犬の毛皮を使って服を作るというようなことも行われていました。このため、古代社会では「犬は人間と一緒に働く労働者」とみなされていた考えられるのです。