2700年前の高級トイレが発掘される

画像: YouTube(City of David)

イスラエルの考古学者がエルサレムにある古代王家の屋敷跡の中から2700年前の個人用のトイレがあることを発見しました。数千年前はトイレで用を足すという行為はエリートだけの贅沢であったことから、貴重な発見であるとのことです。

イスラエル考古学庁(IAA)で発掘を担当した考古学者のヤコーブ・ビリッグ氏は「個人用トイレの発見」について「古代のプライベート用のトイレは一般的にお金持ちしか持っておらず、これまでイスラエルとエルサレムのごく限られた場所でしか発見されていませんでした」と語っており、個人用トイレが発見された例はごくわずかであることから、貴重な発見であるとしています。

今回発見されたトイレは石灰岩を削り出して作られており、座るための座席部分の中央には穴が開いています。基本的には現代の洋式トイレと同様の形状であることから、ビリッグ氏は「誰が座っても快適に用を足すことができる構造」であると説明。また、このトイレは浄化槽の真上に設置されていることや、長方形の小屋の中に設置されていたことも明らかになりました。

トイレ内には30~40個のボウルが置かれており、これらのボウルの中にはお香などの芳香剤が入れられており、快適なトイレを演出するのに使われていたと考えられるそうです。YouTubeのCity of Davidが公開しているビリッグ氏のインタビューでは発掘時の映像や本人の考古学的な見解を述べている様子は以下のムービーで確認することができます。

今回発掘された遺物は考古学者が「当時の邸宅のイメージ」を再現するのに役立つと見られ、当時の社会や人々が営んでいた生活、食事、疫病などの理解につながってくる可能性があるとしています。