アメリカのロードアイランド州に住む89歳のマンフレッド・シュタイナーさんが同州にあるブラウン大学で物理学の博士号を取得したことが明らかになりました。シュタイナーさんは元々、医学で学士号、生化学で博士号を取得。しかし、70歳で血液学者の仕事を退職した後に本人は「最も興味のあった」物理学を修め、89歳にして念願の博士号を手に入れたとのことです。
- Brown Physics Student Manfred Steiner Earns Ph.D. at Age 89 | Physics | Brown University
- 89-year-old man earns Ph.D. in physics from Brown University - UPI.com
子どもの頃から「物理学者になりたい」と思っていたシュタイナーさん大学進学時は物理学を専攻しようと考えていたそうです。しかし、家族からの説得されたこともあり、医学の道に進む事となったシュタイナーさんは生化学で博士号を取得。ブラウン大学で血液学者として働くことになりました。
しかし、夢を捨てきれなかったシュタイナーさんは70歳で血液学者を退職したことをきっかけに「物理学」の道に進むことを決意。学士を取得するまでは週1~2回のペースで講義を受けていたとのこと。その後、修士号を取得する頃には「今からでも遅くない!博士号を取ってみるのもいいかもしれない」と思い直し、博士号取得への道を進んだそうです。
シュタイナーさんは物理学に情熱を注いでこれたことの理由について、この学問の「精密さ」を挙げています。「私が医学を修めていた頃は『(数字がよく変化する)変数が多すぎる』と感じていました。もちろん、物理学の世界にも変数も多く存在しているのですが、他の分野とは比べ物にならないほど精度の高い計算ができるのです」と語るシュタイナーさんは「精度の高い計算ができる」物理学にのめり込むようになったと述べています。シュタイナーさんが物理学の魅力について語っている様子はYouTubeのWPRIが投稿しているニュース映像で確認することができます。
「ボソン化の幾何学的解釈の訂正」というタイトルの論文の審査に合格し、博士号を授与されたシュタイナーさんは「私はこれからも物理学の研究を続けたいと思っています」と語っており、今後は1人の物理学者として勢力的に活動していきたいと話していました。