フランスのマクロン大統領「ワクチン未接種者を困らせてやりたい」と発言し批判を浴びる

画像: Flickr ( Jacques Paquier)

フランスでは成人人口の90%が2回の新型コロナワクチンを接種済みであることから、ヨーロッパでも高い接種率であることが認知されています。しかし、同国では2021年11月下旬から1日の新規感染者数が増え始め、2022年1月1日には21万9126人にまで達するほど、新型コロナウイルスの感染者が増加しています。そんな中、同国のエマニュエル・マクロン大統領が記事作成時点でワクチン接種を拒否している人を「困らせてやりたい」と発言し、批判を浴びているとのことです。

批判を浴びた原因となったのはフランスで議論されている新型コロナウイルス対策に関する政策についての議論のインタビューで発言した内容でした。フランス国内ではレストランや劇場などの施設の入場する際、「新型コロナワクチンを2回接種した証明書の提示」「新型コロナ検査で陰性証明の提示」のいずれかが求められています。

今回議論されているのはその中から「新型コロナ検査で陰性証明の提示」を条件から外し、ワクチンを2度接種したことを証明した人のみがレストランや劇場などの施設に入場可能にするものです。つまり、昨今の新規感染者数の増加状況をなんとかしたいことから、より厳しい条件に変更したいとそうです。

この法案を議論している際に行われたインタビューでマクロン大統領は「ワクチン未接種の人に対して強制的にワクチンを接種させたり、刑務所に入れたりするようなことはしません。あくまでも、社会生活を送るのには厳しめの制限を設けるようにして、これらの人々にワクチン接種を促していきたいのです」と語り、ワクチン未接種者が困る状況を作り上げることでワクチン接種者を増やしたいと述べました。

この発言に対して、極右政党の党首を務めるのマリーヌ・ル・ペン氏は「大統領はそんなことを言ってはいけない。彼は大統領に向いていない」と述べており、また左派政党のジャン・リュック・メランション氏は「個人の自由をなんだと思っているのか」と発言するなど、多くの批判を集めてしまいました。

フランスでは大統領選挙が2022年4月に行われる予定であり、記事作成時点でマクロン大統領が選挙に出馬することを表明していませんが、このような批判がどのように影響するのか、要注目です。