2022年2月11日にGoogleはモバイル用OSのAndroid 13の開発版であるDeveloper Previewをリリースしました。この開発版を使用したユーザーの1人がKVM(Kernel-based Virtual Machine)を使用して、Google Pixel 6のスマートフォン上でWindows 11を起動することに成功したとのことです。
KVMは言わばLinux向けの仮想マシン用のハイパーバイザとして知られています。仮想マシンを知っていて馴染みのない方はWindowsなどで使用されるもので言えば、OracleのVirtual BoxやVMwareのWorkstation Playerと似た機能を持つソフトウェアと考えればイメージが付きやすいと思います。
Android 13のDeveloper PreviewではKVM機能が搭載されており、Googleは同機能を「protected KVM」(pKVM)と呼んでいます。当然、Googleが直接手を加えて実装しているものであることから、同機能は信頼性と安定性の面で優れていると言えそうです。
今回、pKVMを使用してWindows 11の起動に成功したのはAndroidやWeb開発を行っているkdrag0n氏。同氏はGoogle Pixel 6のスマートフォンにAndroid 13の開発版のpKVMを使用してWindows 11の起動に成功。kdrag0n氏は自身のTwitterアカウントでWindows 11がGoogle Pixel 6上で動作している様子を投稿しています。
And here's Windows 11 as a VM on Pixel 6 https://t.co/0557SfeJtN pic.twitter.com/v7OIcWC3Ab
— kdrag0n (@kdrag0n) February 13, 2022
過去にAndroidでWindowsなどのOSを動作させていた人は多種多様な方法で仮想マシンを実行できる環境を整えられていたのです。このため、これまで利用されていた方法はいずれも特殊なため、一般化するのが難しくなっていました。
しかし、Android 13ではpKVMが実装されることで、一般的なKVMと同じように仮想マシンを実行できるようになると考えられるため、今後はこの方法が標準化されるのかもしれません。
しかも、スマートフォンはどんどん高性能化されているため、潤沢なメモリ量とCPU性能を持つAndroidタブレットが登場すれば、Windowsを動作させてオフィス用の格安PCとして利用することも可能になるのかもしれません。