ロシアのプーチン大統領はウクライナ侵攻について、同国にとって都合の良い理由で正当化するため、欧米諸国の報道が国内に入らないよう、ロシア国内からTwitter、Instagram、Facebook等のSNSへのアクセスをブロックしています。しかし、ロシア国内の若者は現時点でも国内からSNSを使用できる状況にあり、これらの情報は筒抜けの状態になっているとのことです。
ロシアではウクライナ侵攻での「作戦進捗状況」「戦死者の数」「侵攻を起こした理由」など様々な内容を同国にとって都合の良い内容を国民に伝えるため、欧米各国にある主なSNSサービスへのアクセスを禁止する措置を取っています。これにより、ロシア国内からはスマートフォンなどを使ってもTwitterやInstagram、Facebookにアクセスすることはできなくなりました。
しかし、あるロシア人ジャーナリストによると「ロシアの若者はロシア国内で禁止されているはずのSNSサービスにアクセスする方法を知っています。このため、いくらプーチン大統領がSNSへのアクセスをブロックしてウクライナ侵攻の情報統制をはかっても、ほとんど無意味なのです」と語り、若者からの支持を集めづらい状態になっているとのこと。
この情報はロシアの独立系メディア「TV Rain」でニュースディレクター兼キャスターを務めるエカテリーナ・コトリカゼ氏が明かしました。コトリカゼ氏は「ロシアの若者は政権の理解の一歩先を行く方法を既に知っているのです。だから、未だに情報を入手できているのです」と述べています。
同氏によると「多くの若者は(他の地域のNWに接続することで、インターネットへのアクセスを別の地域のものからのように振る舞える)VPNを利用しています。このため、ロシアでアクセス禁止にされても、(欧米諸国等からのアクセスに見せかければ)これまで通りSNSサービスを利用することができるのです」とのことで、同国の若者はVPNという抜け道を活用することで他国のサービスを利用できていると説明しています。
コトリカゼ氏は「ロシアの国営メディアは『ロシア軍がウクライナの領土をナチスの支配から解放している』かのように報道し、ロシア軍が破壊した建物や都市を見せることはありません。しかし、多くの若者はSNSを見ることでそれが真実なのか否かが見える状況であり、どちらの情報が真実かが自ずと理解できるようになるでしょう」と述べていて、プーチン大統領の思うように情報をコントロールするには限界があるとしていました。