「延滞金はいくら?」図書館から借り出された本、約76年の時を超えて返却される

1946年にある女性が図書館から借りた本が約76年の年月が経って返却されるという珍事件が発生しました。この女性は既に亡くなっていたのですが、その親族がたまたま本を整理した際に発見し、図書館に返却されたとのことです。

この本は作家のロナルド・ダンカン氏が書いた戯曲「This Way To The Tomb」で、1946年に本を借りたアイリーン・ホイルさんの息子であるチャーリー・スタディさんによって返却されました。スタディさんは亡くなったホイルさんの本棚を整理していたところ、この本を発見し、図書館に返却することを決意したようです。

イングランドのキースリー図書館は本が返却された当時について「返却期限から途方もない時間が過ぎた本について、メールで連絡をいただきました。この本はロナルド・ダンカン氏の戯曲『This Way To The Tomb』です。連絡をいただいた方の亡きお母様のお宅から届いたものだそうで、1946年7月17日に返却されることになっていました。76年以上も待ったのは、間違いなく新記録です」とツイート。

スタディ氏はホイルさんが本を返却しなかった理由について「母は大学の長期休暇のタイミングで帰省した際に図書館で本を借りていたようですが、そのことをすっかり忘れていたのだと思います」と語っており、元々読書好きだったホイルさんがたまたま図書館から借りてた本の存在を忘れてしまっていた可能性が高いと述べています。

なお、図書館によると、返却の際にはスタディ氏から「本を返却するのは良いのですが、76年分の延滞料金を支払うのはちょっと・・・」と相談があったとのこと。図書館側も1日15ペンス(約25円)の料金を請求したと仮定すると、合計3552.45ポンド(約59万円)になることを確認。しかし、図書館はスタディさんに延滞料を請求することはなかったとTwitterで説明しています。

ブラッドフォードの地方議会議員を務めるサラ・フェビリー氏によると、今回返却された本はキースリー図書館で展示されているそうで、延滞料金についても基本的には請求するが、その本の価値以上の額を請求することはないとのことでした。