「2025年までに喫煙率を5%に減らす」ニュージーランドのタバコ禁止法とは

2021年12月9日にニュージーランドの政府関係者が「タバコの購入ができる年齢を毎年引き上げる法律を導入する」と発表しました。法律の性質上、記事作成時点で14歳以下の人は生涯に渡ってタバコを購入することができなくなるとのことです。

この法案はニュージーランドの保険当局の提案に基づいたもので「タバコの購入可能年齢を毎年引き上げる」という性質上、2021年時点で14歳以下の人は生涯に渡って同国内でタバコを購入することはできず、喫煙を行うことができなくなります。

ニュージーランドでは記事作成時点で成人に区分される人々のうち約11%が喫煙していますが、2022年からの法律施行後、政府関係者は「2025年にはタバコの喫煙者の割合を5%程度に減らしたい」と述べています。この取組は世界でも初めてのものであるため、この規制に効果があると判明すれば「他の国でも採用されるようになるだろう」との見方をする専門家もいます。

カリフォルニア大学サンディエゴ校で教授を務め、疫学者でもあるワエル・アル・デレイミー氏は「これはある種の社会実験のようなものでしょう。うまくいくかはわかりませんが、もしニュージーランだどで上手くいけば、間違いなく他の国でもうまくいく政策になるでしょう」と語っています。

同氏は「タバコは非常に強力な中毒性を持つ物質です。単純に禁止するだけではタバコの闇市場や密輸などで社会の裏側でタバコが流通してしまうことになるでしょう。悲観的な意見に見えるかもしれませんが、これが現実なのです」とも述べており、ただタバコを禁止する以外にもニュージーランド政府は国内に出回るタバコの総量を減らす政策も並行して実施する必要があるとしています。

なお、ニュージーランドではタバコには重税が課されており、1箱で約20ドル(約2270円)します。このため、既に同国内には闇市場が存在しており、今回の規制法が闇市場の拡大化する原因になるのではないかと見る専門家もいます。