中国が「一人っ子政策」を実施した結果、新たに生じさせてしまった問題とは?

一人っ子政策は中国が人口増加を抑制するために行われた政策です。1970年代の中国は家族の労働力が重要であったため、どの家庭も大家族となるのが一般的でしたが、同政策により出生率を大幅に低下させることに成功しました。2000年代に入り、出生率の低下が深刻となると、中国では緩和策を行うことで改善を図っています。しかし、長期間に渡り一人っ子政策を行ってきた弊害が顔をのぞかせているとのことです。

ピーク時に出生数が年間2900万人にもなってしまった中国では1980年代に「一人っ子政策」を開始し、年々出生率を低下させてきました。しかし、出生率の低下が著しく進んでしまったため、2014年には「二人っ子政策」を行うことで制限を緩和する対応を中国政府が行いましたが効果はありませんでした。

この理由の一つが、長期間の一人っ子政策の結果、「子どもは1人であることが当たり前」となった価値観です。実際、記事作成時点での中国の若年層は一部の例外を除けば、全員が一人っ子で育っており、兄弟や姉妹と生活することを知りません。

このため、夫婦となった男女においても、「子どもは1人で十分」「1人の子どもを育てることに全力を尽くすのが良い」「そもそも、子どもを複数持つ必要性がない」という考えが中国での常識です。

この結果として中国の2019年の出生数が1500万人でしたが、翌年の2020年には1000万人に減少するなど出生率の低下が著しく進んでいます。このため、中国は出生率改善に向けて、まず夫婦に子どもを多く産むように説得する必要があるといわれています。

以下のムービーはBBCが実際に中国で取材したものです。同国で生活する若い夫婦が子どもについて、どのように考えているかがわかります。

Source – BBC News