色は数多くの種類が存在しますが、人によって、好みの色や自分に似合う色というのは異なるものです。では世界規模で見ると、どの色が一番人気があるのでしょうか。科学系メディアのLive Scienceが纏めていたので紹介します。
世界の人々が好きな色という調査はこれまでに何度か行われており、この結果は一定ではないことが明らかになっています。たとえば、2015年にYouGovが実施した10カ国を対象に行った調査では青が最も人気のある色であると示されました。
しかし、2017年に100カ国に住む3万人を対象にした調査ではディープティールが最も人気のある色であることが明らかになりました。この結果から調査時期や地域などの条件を変えることで答えは変わってくるようです。
また、色の好みは文化の影響も色濃く受けます。2019年に行われた研究ではポーランドに住む人々とパプアニューギニアに住む人、そしてタンザニアに住む狩猟民族であるハヅァ族の人々の色の好みを調査し、これらの人々は皆バラバラの意見を持っていることが明らかになっています。
とは言っても、日本のように西洋文化の影響を強く受けている地域では一定の色の好みが形成されており、青は男の子の色、ピンクは女の子の色と一般的に考えられています。そして、アメリカ在住の子を持つ749人を対象に行われた研究でも、男性は青を好む傾向があり、女性は赤やピンク、紫を好む傾向があることがわかりました。
なお、この男女差は「息子しかいない家庭」では顕著に強くなるようで、娘を持つ男性よりも青を強く好む傾向があったとのこと。なお、男女平等の意識が非常に強いハヅァ族の人々の場合は男女で好む色にほとんど違いがないことが確認されています。
このように文化や住む地域、社会によって、人の好む色に差が出てくるのですが共通点があることも明らかにになりました。それは「色を示す単語」です。例えば「青」という言葉に近い色相を示す場合、英語のほかにタガログ語、トルコ語、タジキスタン語でも大体同じ色を示していたのです。これ以外にも赤、緑、黄といった基本色の境界は文化圏を超えてほぼ同じ色を指し占めている傾向があるのです。
