業界関係者によると、2021年の第3四半期(7月~)に入ってから、市場での需要と材料価格の高騰によりアルミ電解コンデンサとアルミ箔の価格が上昇し続けているとのことです。
日本の大手コンデンサメーカーである日本ケミコンとニチコンは新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、マレーシアにある工場での生産がストップしている状態であり、アルミ電解コンデンサや高分子アルミコンデンサの納期を24週間延長すると発表。この納期延長は2022年前半まで続く見込みとされています。
このため、一部の顧客はLelon Electronicsなどをはじめとした台湾のメーカーに発注を変更。この結果として、本来日本の企業が出荷するはずの売上が台湾のメーカーに流れたことで前年同期比と比較して20%以上増加しています。
売上増加の要因としては単に売上が伸びただけでなく、アルミの高騰も背景にあることで、製品の価格も高く設定していることも影響しているとのこと。また、台湾のアルミ箔メーカーであるLiton Technologyもアルミ価格の上昇により2020年後半から四半期ごとに価格を引き上げています。
同社は記事作成時点で台湾北部と中国の広東省と四川省にある工場をフル稼働しており、注文を捌いているとのことです。なお、Liton Technologyの2021年上半期の売上は前年同期比27.47%増の7036万ドル(約77億5000万円)に達しています。