記事作成時点における日本は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を強く受けていますが、海外から見れば世界第3位の経済大国として認識されています。そんな日本ですが、東京オリンピック開幕直前となる2021年の第2四半期(4月~6月)の国内総生産(GDP)が発表され、予想の2倍となる成長率を記録しており、海外からも注目されているようです。
日本のGDPの速報値によると、2021年の第2四半期は前年同期と比較して1.3%増加しました。2021年の第1四半期のGDPがマイナス3.7%であったことを考慮すると、大きく増加しているとも言えます。この結果は新型コロナウイルスの影響で低下していた個人や法人の支出が増加したためであり、当初予想の0.7%の約2倍増加しています。
しかし、この日本の景気回復ともいえる現象といえど、2021年第2四半期のGDPが6.5%の伸びを記録したアメリカなど他の先進国と比較するとかなり低い水準といえます。このため、海外からの目線で見ると日本政府は新型コロナ対策に非常に苦戦していると見られているようです。
なお、日本の経済再生担当大臣を務める西村康稔氏は今回のGDPの速報値が発表されたあと「GDPの結果については非常に複雑に感じる」と語っています。日本の経済は2020年の1年間でGDPがマイナス4.8%以上縮小したことから、経済対策に力を入れていますが、度重なる緊急事態宣言や他の先進国と比較してワクチン接種の進捗が遅い状況にあります。西村氏は「景気回復に向けた動きが遅い」と見ているようです。
このため、同氏は「新型コロナウイルスの感染を防がなければ、経済に良い影響を与えることはできません」と語り、GDPの成長率を他の先進国並みに高めるには新型コロナウイルスのパンデミックを防がなければならないとしています。