「無敵の免罪符」性的暴行で逮捕された外交官、特権行使で無罪に

2022年8月21日に南スーダン共和国の国連外交官を務めるチャールズ・オリハ氏はアメリカのニューヨークのマンハッタンのアパートに住む隣人の女性宅に侵入。その部屋に住む女性を2回レイプした罪で逮捕されました。しかし、オリハ氏は外交特権を行使し、当局によって釈放されていたとのことです。

New York Postの報道によると、被害者の女性は外で犬の散歩をしていた際、そばを通りかかったオリハ氏に言い寄られることになったそうです。その後、彼女はオリハ氏の誘いを断っていましたが、諦めなかった同氏はそのまま彼女の部屋に侵入。

部屋に押し入ったオリハ氏はそのまま女性に性行為を強要。その後、行為が終わると同氏は部屋から逃走しました。女性は被害直後からショック状態に陥り、一時眠ってしまったそうですが、起床(数時間)後に警察に通報。

その後、オリハ氏は警察に性的暴行の容疑で逮捕され、取り調べを受けることになりました。しかし、同氏は「自分は外交官である」と述べた直後、外交特権の行使を主張。オリハ氏を逮捕したニューヨーク市警は起訴することが不可能となり、釈放することにしたのです。

ニューヨーク市長を務めるエリック・アダムス氏はこの事件について「いかなる性的暴行も決して容認されるべきではない」と述べており、事件の捜査を引き続き進めているとのことです。

ペンギン議長の一言
外交特権は滞在先の国で外交官が難癖をつけられて拘束されるような事態を防ぐために用いられるものです。外交官が滞在先の国で犯罪を犯した場合、当人の母国の法律に則って裁かれるケースがあります。

今回の場合、南スーダン側で仮に裁判が行われたとしても、オリハ氏が「被害女性が妄言を吐いて、私を貶めようとしているだけだ」と主張すれば、無罪として認められる可能性が高いと思われます。アメリカ側はオリハ氏の身柄を確保するよう、南スーダンに訴えるしかなさそうです。